- 妹尾 葉子
妹尾 葉子(せのお ようこ)
- 2011年 JBO認定歯科矯正医認定
- 1992年 九州歯科大学卒業
- 1996年 九州歯科大学大学院修了
- せのお矯正歯科在籍(2018年より勤務)
ガイドラインアンケート調査
以下の設問にお答えください。
質問に回答ができない場合には、無回答にチェックしてください。
なお以下文章中の「抜歯」は基本的に小臼歯抜歯を意味します。(先天欠如歯が存在するため前歯を抜歯した場合や、片顎の小臼歯抜歯も含みます。)
また「非抜歯」は小臼歯非抜歯を意味します。第二、あるいは第三大臼歯のみを抜歯した場合は非抜歯としてください。
掲載日:2011/10/06
第1回:抜歯 非抜歯に関するアンケート(2012年5月時点)

全ての患者さんに非抜歯で矯正治療が可能ですか?
回答:いいえ
【回答に対するコメント】
不可能と考えます。
多くの患者さんの場合、全ての歯を、限られた容積の顎の骨にきれいに並べようとすると、歯列を側方あるいは前方に広げる事が必要となります。その結果、かえって咬み合わせが不安定になったり、前歯の前突に伴って、口元も突出し、顔立ちのバランスが悪くなってしまう事もあります。
非抜歯治療では、何よりも、歯を抜かないことを最優先に考えられています。そのため、無理に歯を並べることによって、改善出来ない点があったり、かえって悪くなってしまう点が出てきたりする可能性があります。一方、抜歯治療は、非抜歯治療を行った場合と比較して、永久歯を数本失っても、改善される点が多く、治療結果が好ましいと診断されたという事です。したがって<非抜歯治療>と<抜歯治療>という2つの言葉を、並べて論じる事は出来ません。
その事を念頭にlどのような治療を受けるか、考えて頂くとよいと思います。

1で「いいえ」とお答えになった先生にお聞きします。
将来矯正学が発展、進歩したとしたら、すべての患者さんに非抜歯治療が可能になると可能性はありますか?
回答:いいえ
【回答に対するコメント】
ないと思います。
あるとすれば、歯のサイズが全体的に小さくなる、あるいは顎の骨が大きくなるなど生体自体が変化が起こることが前提です。しかしこれらの事柄は、意図的にコントロールすることが出来ません。したがって、いかに矯正の材料が改善されても、多くのテクニックが出現しても、非抜歯治療だけで矯正治療が可能になることはないと思います。
また、日本人と欧米人は骨格的な特徴が異なるので、あちらでの治療成績をそのまま日本人に当てはめることも適当ではありません。

永久歯列期の患者さんに対する矯正治療開始にあたり、抜歯が必要と診断した患者さんの割合(2010年)はどのくらいですか?
回答:90%以上
【回答に対するコメント】
95%
整然と並んだ歯列と一歯対二歯の咬合、閉唇時における緊張のない上下口唇を治療目標として、初診時の患者さんを診たときに、抜歯を行わないと、その目標が達成出来ないために、上記の数になりました。
当院では、一歯対二歯の咬合が達成できる場合は、非抜歯治療もプランニングして抜歯治療とともに提示します。ただし、特に仕上がりの際におけるくちもとに差が出ることを説明すると、ほとんどの患者さんがくちもとを含めた改善を求めて、あるいはくちもとの突出を忌避して、抜歯治療を選択されます。